栃木県日光市にある【天台宗 中禅寺】(てんだいしゅう ちゅうぜんじ)
湖の【中禅寺湖】は有名ですが、同じ名前のお寺があることを知っていますか?
実は『中禅寺』から『中禅寺湖』と名前が付いたそうです。
今回は、立木観音でも有名な【中禅寺】のご紹介です!
日光山 輪王寺 別院 中禅寺
中禅寺は栃木県日光市の中禅寺湖畔・歌ヶ浜にある天台宗の寺院である。
世界遺産に登録された日光山輪王寺の別院であり、坂東三十三観音霊場の第18番に位置付けられている。
784年、日光山の開祖である勝道上人(しょうどうしょうにん)が船で湖を遊覧していた際に、湖上に千手観音の姿を感得し、桂の木に立木のまま千手観音像を刻んだ。この「立木千手観世音菩薩」を本尊として、中禅寺が開かれた。
初は、二荒山神社の神宮寺として、男体山登拝口近くに建立され、「補陀洛山(ふだらくさん)中禅寺」(現在の日光二荒山神社中宮祠(ちゅうぐうし))とされた。本尊は、その本寺(ほんじ)観音堂に祀られた。脇侍として、源頼朝が寄進した四天王像が祀られた。
引用元 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E7%A6%85%E5%AF%BA_(%E6%97%A5%E5%85%89%E5%B8%82)
中禅寺の正式名称は
「日光山 輪王寺 別院 中禅寺」
(にっこうざん りんのうじ べついん ちゅうぜんじ )
と言うそうです。
【輪王寺】は、日光で有名な天台宗のお寺です。
そちらの別院なんですね。
(↓輪王寺の公式HP内で中禅寺の紹介もあります。)
中禅寺 別称「立木観音」
中禅寺では、御本尊の「十一面千手観世音菩薩」が、木造の姿で安置されています。(国重要文化財指定)
顔が11面、手は1000本あり、掌には眼が付いています。
「私は、多くの人々を救えます!」 を表現しているそうです。
※ちなみに「ねずみ年」の人は、一生、観音様からお守りいただけるそうですよ。
中禅寺へ向かう
中禅寺湖に沿うように中禅寺はあります。
10月初めに来ましたが、紅葉のはじまりが見てわかりますね。
駐車場
駐車場は、お寺の正面に数台分あります。
その他、近くにも無料駐車場があります。
↑「歌ヶ浜第一駐車場」も中禅寺湖の目の前にあります。
駐車場から見える景色も素敵です。
(今回は、超濃霧でしたが)
紅葉シーズンかつ休日の場合、予定していた駐車場に止められない可能性が非常に高いです。
(他、近隣の駐車場も無料の場所が多いです。)
北側正面から
車で一度通り過ぎたのですが「中禅寺立木観音駐車場」まで戻ります。
そうすると…
北側の入り口に到着します!
平日は、こちらからしか入れないのかな?
(歌ヶ浜第一駐車場から近い、西口は閉まっていました。)
拝観料
- 大人500(20名以上450円)
- 子供200(20名以上180円)
楼門
赤く、堂々としています。
仁王尊像
力士がモデルの仁王尊像は、金剛力士像ともいい、境内に災厄が入り込まないように護っているそうです。
本当に強そうに見えます。頼りになりますね!
お二人の間を通ります。
ちなみに振り返ると…
諸行成就の梵鐘(ねがいのかね)
仁王尊像のいる門をくぐるとすぐ右側にあります。
鐘をつくことで先祖の供養、長生きなど願いが成就するそうです。
しかし、2022年10月現在は、修理のために閉門しているそうです。
延命水
石像(不動明王?)と共に「清なるお水」…みたいな場所でした。
口にすると長生きができるのでしょうか。
ちょっと口にする勇気が無く、見学して終わりました。
石護摩壇(いしごまだん)
一番奥に、石造りの不動明王が座った状態で祀られています。
「不動明王」…恐い顔、右手に剣、左手に縄、背中に炎が見える姿。どんな悪でも断ち切り、人々を絶対に救う意志が表れています。人の煩悩を払う、修行者の守護、大変慈悲深い仏様です。
本心は、めちゃくちゃ優しい仏様。絶対に人々を守るために、あえて鬼のように恐く厳しい様子が、かっこいいです。
不動明王の手前に、石造りの鳥居と四方の石柱で『結界』がつくられており、結界の中心で火を焚いて行う「採燈護摩」(さいとうごま)という修行で使われていた丸い「石造の護摩炉」が据えられています。
↑の写真は、護摩炉が丁度見えない角度になってしまいました。(苔でそもそも見えにくいかも…)
「護摩木」という願いが書かれた木や藁を護摩炉に置いて、火を点けて、修行者の煩悩を焼き払い、願いが成就するように祈るのが「採燈護摩」だそうです。
今でも燃える大火の前で祈ったり、燃える炭の上をあるくお坊さんがいますよね。
身代わりの瘤
次にこちらの大きな木
「身代わりの瘤」は、私たち人間の病を代わりに受けて、大きく出来上がってしまった瘤がある木です。
自身の病気や痛い場所に触れてからこの瘤に触れると治る…かもしれません。
愛染堂
愛染明王(あいぜんみょうおう)が安置されているお堂です。
「愛染明王」…こちらも恐い顔、3つの目、6本の腕、蓮に座っている姿が多い。元が煩悩(愛から生まれる愛欲、欲望、執着)を悟りに変える力を持っている。「愛敬開運」を授けて下さるので、昔から女性などの味方のような仏様。「愛染」=「藍染」から、染め物屋やアパレル関係から祈願されることもある。
「愛のパワー」を「善の力」に変える仏様。縁結びにも大きく力を発揮してくれるのでしょう。
また、弓矢を引く愛染明王の姿もあるそうでまさに「愛のキューピット」です。
それにしても「仏の世界」は隙がありませんね。
どのようなパターンでも、少年漫画のような逸話があります。
ONE PIECEの三つ目族の「プリン」なんか「愛染明王」そのままですね。モデルかな?
波之利大黒天
波之利大黒天(はしりだいこくてん)とは、日光関連の有名な神様みたいです。
「なみのり」では無いんですね。
勝道上人が男体山登頂を祈願した際、中禅寺湖の波の上に大黒天が現れ、事が成就したことから、勝道が湖畔に大黒天を祀ったとされる。現在の日光山輪王寺別院宝増寺、同中禅寺に伝わる大黒天像の由来である。
引用元 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A2%E4%B9%8B%E5%88%A9%E5%A4%A7%E9%BB%92%E5%A4%A9
波の上に姿が現れたけど「なみのり」とは、言わないのですね。(しつこい)
勝道上人が「男体山を登頂したい!」と祈願したら、叶ったことから「事業成就」「道中安全」に強いそうです。
また、「波の上を走る」=「安産」を連想させるそうです。
そして、「波の上にとどまる」=「足止め」とされ、「人の帰還」「浮気防止」のご利益があるそうです。
本堂(立木観世音)
中禅寺の大本命「立木観音」を拝観させて頂きます。
…
なんと、御堂内は撮影が禁止でした。
本堂は、お寺の方が案内、お話をして下さいました。
HPにも説明がありますが、
勝道上人が、出会った観音様を桂の木に立木の状態で彫って再現したものです。
立木観音は、今も地中に根を伸ばしたままだそうです。
立木観音は、高さ5mを超え、とても穏やかな表情をされている。
…ことがわかるぐらい、非常に細かく造られた御本尊です。
本当に手彫りで造り上げたとは、信じられません…
自然と手を合わせてしまうほどの雰囲気がありました。
光のお手綱
中禅寺本堂では、御本尊の手から繋がっている5色の綱を握ることで、慈悲を受けることができる参拝方法でした。
昨今の感染症を考慮し、多数の人が触れる綱から途中で光に変える参拝方法に変更しました。
5色の光を両手に受けて、ご本尊と繋がることが出来ます!
五大堂
立木観音を拝観したあと、そのまま参拝ルートへ進むと五大堂内も拝観することが出来ます。
(階段が多かったです。)
五大堂にいる五大明王
- 不動明王(ふどう)
- 降三世明王(ごうざんぜ)
- 軍荼利明王(ぐんだり)
- 大威徳明王(だいいとく)
- 金剛夜叉明王(こんごうやしゃ)
金ピカの仏具、装飾の印象が強い堂内です。
五大明王を一度に拝観できることの素晴らしさに声が出ませんでした。
すごい力で守られている感のある空間です。
天井には、巨大な龍が我々を見下ろしていました。
外に出ると中禅寺境内と中禅寺湖を一望できます。
雲?霧?が濃く掛かってしまっていますが、男体山も見られました。
仏と神がいるお寺
中禅寺はお寺で仏様がいますが、神社のような場所や神様を祀っていたりと、昔の風習がわかりますね。
(ハロウィンもクリスマスも初詣もお盆もやる感じ)
日光は、お寺も神社も有名な場所が多くありますが、同敷地内で神仏の両方を感じられるのは不思議な体験です。
社寺は難しく、堅い印象もありますが、中禅寺は親切な説明と今時の造りやお土産もありますので、若い方でもすんなり歴史を楽しめると思います。
輪王寺や二荒山神社や東照宮の陰に隠れがちですが、
中禅寺にも是非、足を運んでみて下さい。
加山雄三さん主演の映画「エレキの若大将」のロケ地であったそうです。
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